プンタ・デッラ・ドガーナを見学し、バボレットで15分で到着。
また、サンマルコ広場の時計台の横からから、狭い道を人波にもまれながら右左と歩いていると15分程度で着いてしまいます。橋からの眺めや、アクセサリ-やお土産物を売る店への観光客で昼夜人で賑わっています。
ここは何度見ても美しく魅力的な橋です。カルパッチョの絵を見るとかつては木の橋だったとのこと。
橋の天辺から岸辺を見た光景、両側に土産物屋な並び観光客で一杯。
橋の頂部を見る。
橋の天辺からサンマルコ方面の眺め。
ホテルのレストランで夕食。通訳の鈴木美果さんがこのホテルの支配人と知り合いとのことで、
昨日、地元の魚介類の料理をリクエストしておいてくれました。勿論ビ-ルも地ビ-ルを頂きました。
感謝。
ピノー財団+安藤忠雄 のコンビが グッゲンハイム財団+ザハをしのぎコンペで勝ち取ったプロジェクトです。
ここベニスにふさわしくまた世界の美術館Projectの中でも特別な存在となったこのプンタ・デラ・ドガーナ(Punta della Dogana)。歴史的建造物である海の税関だった「Dogana di Mare」を現代アートの美術館にイノベーションした建物。コンクリート打放しの壁に歴史を物語る荒々しい煉瓦や古材(トラス)、天井から光が降り注ぐ空間はまさに圧巻です。あのプランタン百貨店の創設者フランソワ・ピノー(Francois Pinault)氏の財団で運営され、プンタ・デラ・ドガーナ美術館として同氏のコレクションを所蔵しています。
ヴェネツィアにおいて、今後の歴史的建造物の在り方に一石を投じたプロジェクトではないかと思います。
それにしても、工事の大変さが記録写真から見ることができます。トラスの木々を一本一本ばらして補修、石やレンガを一枚一枚はがして削り直しと、あれだけのボリュ-ムのパ-ツを手仕事で地道につくりあげたことは本当にさすがとしか言いようがないです。
予断ですが、当初Punta Della Doganaの計画に、イタリア国内では日本人の建築家に歴史的建造物であるヴェネツィアの旧税関の再計画を任せることに、批判的な意見も多かったとのこと、しかしオ-プン後の評判が高く、ヴェネツィアの新名所として、多くの美術愛好家や観光客から認知される場所となった今、そのことを言う人はいなくなったとのこと。日本人として嬉しい話です。
サンマルコ広場方面からヴァボレットにて撮影。岬の突端にあり、上から見ると3角形になっています。
チケット売り場。コンクリ-ト打ち放しが綺麗過ぎて、なんとなく質感が無く空間が若干軽い印象を受けました。
自然光と照明がバランスよく保たれています。
下の風景は上部の半円形の窓からの眺め。室内の作品を邪魔しない程度に水平面の窓から光を入れています。美術館としては難しい事を何気なく簡単にやっていることが凄いです。
この辺の空間の見せ方がズント-やスカルパに通ずるように感じます。床の石は元々あったものを一度外して
表面を平らに削りなおして、張りなおしています。
写真はチャールズ・レイ(Charles Ray)の「Boy with Frog」で、ピノー氏の所蔵ー。
プンタ・デラ・ドガーナ美術館は今現在、イタリア全土の中で企画展としては、ヴェネチィアビエンナ-レに続いて第2位との事、正にヴェネチィアの名所です。
ということで、これkらベニスに行かれる方にはヴェネチィアビエンナ-レと共に是非お薦めします。
(公式サイト)
http://www.palazzograssi.it/
このモ-タ-ボト-トに乗船。
アドリア海を猛スピ-ドで走り抜けます。後部を見た光景。
ヴェニスの中心部に入ってきました。17年ぶりのヴェニスですが街並みを見た感動はその時と変わらぬ思いでそた。
満ち潮の為、ホテル専用の船着場には入れず、リアルト橋のたもとで下船、水上タクシ-のドライバ-と
連携していると思われるポ-タ-が待っていて、手際よく私達の荷物を荷台に積みホテルまですいすいと運んでいきました。10分程度で到着すると「ハイ、20ユ-ロ」と・・・仕方たいので払いましたが、思わずいい商売だな-と
感心してしまいました。
ホテルはリアルト橋やサンマルコ広場まで歩いて10分と観光には最適の立地でした。フロントは手狭で窮屈は感じでしたが、ヴェニスの立地を考えれば当然だとも思います。チェックイン時のスタッフの応対は良く、部屋の内装は中グレ-ド(ツイン1泊約34000円)で清潔感があり、過不足ないホテルでした。
早速、サンマルコ広場まで歩いていくと、満ち潮の為広場は水没、ズボンをめくりあげ、裸足で歩く観光客が大勢いました。足元に赤や黄色いビニ-ルが見えますが、足元だけの合羽で(10ユ-ロ)この日は仮面よりも人気商品でした。因みに私も買いましたが歩きづらくて大変でした。この季節では水没(アクアアルタ)昨年のクリスマスにはアクアアルタの水深が過去最高高を記録したとのこと、本当に大丈夫なのか心配になります。
昼食はホテルで教えてもらった近くのパスタ屋さんでボンゴレビアンコを食べました。太くて柔らかい麺でしたが、抜群に美味しかったです。
いよいよ今回の目的のひとつVenezia Biennale視察
私はArsenele地区で開催されているBiennale Architettura2010(、第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展)に向かいました。建築展としては世界最高峰の権威と言われ、2年に1度開催される祭典です。
今回のヴェネチア・ビエンナーレ建築展は、建築家・妹島和世氏がアジア人として、また、女性として初めて総合ディレクターを務めました。「People meet in architecture」のテーマのもと、50組近くの出展者が参加する大規模な建築展を企画しました。
会場へはサンマルコ広場からサンマルコ運河沿いを北東に30分ほど歩くとArsenele地区に入ります。この地区は掘割りが縦横に走っていて、中世の時代世界一の設備と能力を備えた造船所(Arsenele)があった跡地になっています。建築展は当時の倉庫を会場として使用しています。
会場に向かう途中のArsenele地区の運河。観光客の姿も少なく同じヴェニスとは思えないほど静かな佇まいです。
途中に会場案内のサインがありました。
会場前でチケットを販売しています。(大人20ユ-ロ)
会場入り口の様子です。予想に反し鄙びた感じでノスタルジックな雰囲気です。
総合ディレクターが直接担当し、テーマに沿った企画展の場となるArsenale会場。原則1部屋に1人または1組の建築家、アーチストを指名し、空間全体を、それぞれが自由に演出してほしい、としたディレクターの妹島さんの意向を反映し、ゆったりとした展示は、非常に見やすかった。
入って最初の作品です。
なるほどこんな建築、これも建築?でも展示の仕方は思ったほど目新しさが無いな-などとと思いながら進んでいくと、ガラスの扉の向こうに、一面の霧が・・・・・一瞬、入っていいのかどうか迷ってしまうような雰囲気。
Transsolar + 建築家・近藤哲雄氏による、Cloudscapesという作品。
室内に圧力と温湿度が異なる3つの空気層(くっきりとではない)をつくり、中間の層に雲を人工的に発生させている。螺旋を描きながらスロープを歩いていくと、急に一寸先も見えないほどの雲に包まれたり、またそこからふっと出たりする、構造物は高さ4.3mあり、それはまるで雲の上を歩くような体験です。
建築の難しさは、そこへ行かなければ体験することができないことにあります。実現している建築も、想像の世界の建築も、その建築物そのものを持ってきて並べるわけにはいかない。ここでは等身大のレプリカを作って、疑似体験をさせています。
金獅子賞に輝いた石上純也氏。
空気を使って見えない建築を建てた。極細の針金のようなものが床から何本か立っているのが辛うじて見えるだけ。Architecture as air: study for château la coste。
「石上氏の独創的かつ不屈な視点を評価する。この仕事は、材質、視界、技術や薄さ、そして建築そのものの究極の姿の限界に挑戦するものである」。というのが、審査員の評。
「審査員特別賞」に選ばれたのは、まるで映画のセットのような、レトロなスタジオを作ったStudio Mumbaiと、、全く違う2つの作品で、アジアの2つの大国が仲良く同賞に並んだ。
インドと中国1つは、インドのStudio Mumbaiによる”Work Place”、もう1つは中国のAmateur Architecture Studio の”Decay of a Dome”。
Jaet Cardiffという人の作品で、広く円形に置かれたスピーカーから、それぞれ高さや音量の違う人の声が出ていて、全体で、まるでゴスペルの歌声が響く教会の中にいるように感じるもの。
ちょうど歩き疲れたあたりに位置することもあって、とどまる人が多かった。
伊東豊雄氏「台中オペラハウス 2005 ― under construction」。曲面が多く難しい建物の、施工プロセスを追う写真や図面も面白い。模型とパネル、展示方法はオーソドックスながら、その変わった形と精巧な模型、Toyo Itoの名を知る人もそうでない人も、自然とひきつけられて、熱心に見入ってしまうよう
パビリオン部門では初参加のバーレーンが”Reclaim”という作品で金獅子賞を手にした。
バーレーンといえば、ペルシャ湾に浮かぶ小国で、ここ80年間、湾岸エリアを中心に経済的発展にともない急激な開発が進められてきた。建築で思い浮かべるのは、世界一のビルだの、新しいルーブル美術館だの、ここ数年、世界の名だたる建築家たちを競って起用して建つ最新の建物群。ところが、アルセナーレ会場内にしつらえたこの「バーレーン館」では、伝統的な漁民の「家」を再現している。
その湾岸に残された小屋を会場内に移設し、開発姿勢を問い直している。いずれの小屋もアラブの伝統的な客間、マジリスとも通じるくつろげる空間となっていてる
とても興味深い。
リラックス・エリア
会場内に設けられたカフェ&バ-
会場となっている倉庫の外観、老朽化のため補修工事が行われているが劣化の進行の方が早いように見えました。
以前から一度見てみたいと思っていたイベントでした。今回はスケジュ-ルの関係上アルセナーレ会場のみの見学でしたが十分見ごたえがありました。聞いた話ですが今回の第53回「ヴェネツィア・ビエンナーレ」は例年になく好評で、新記録続きとなる模様とのこと。
理由は、現代性と過去の交錯、町との融合そしてもちろん、プンタ・デッラ・ドガーナや、ヴェドヴァ美術館など、話題性の高い新しい美術館が同時期にオープンしたことも、相乗効果を上げているとのことです。
次回は是非、ベニスにゆっくり滞在してこの街を堪能したいと思います。
つづく・・・