無垢材と集成材どっちが良いの? |
これは家づくり相談での御質問でした。
ある方がハウスメ-カ-の展示場に行ったときに、営業の方から柱は無垢でなく、集成材の方が
品質も安定しているし、強度の基準もデ-タがあるので無垢の柱より安心ですよ。との説明を受
けて、さて本当はどちらが良いのでしょうかとのことでした。その返答を以下のようにしました。
あくまでも私見ですが、
私は基本的(特殊はケ-スな除く)には大壁であっても無垢材を使用しています。
3階建てもこれまで3件ほど設計しましたが無垢材(地場産材)の柱としました。
理由は(理由にならないですが)、私が無垢材が好きであることが本音です。
なぜ好きかと良いますと、非論理ですが、木には芯(年輪の中心)がありますが、この芯がある材
を専門用語で芯持ち材(芯の無い材を芯去り材)と呼んでいますが、当然ながら芯持ち材は木が
台地に立っている自然の状態に近いので、木の特性を考えれば理にかなった遣い方といえると思
います。
また、年輩の大工さんは芯持ち材は強いといいますし、私は古民家の再生やリフォ-ムなどの仕事
していて、そうした現場で腐食した柱や土台を目にしますが、周りは腐っていても芯の部分は必ず
残っています。(強度が残っている証拠)
集成材はある意味で人工的につくられたもので、化学的な裏づけがその信用となる訳ですが、高温
多湿の日本の環境を考えると、何十年という建物寿命の中でどこまで化学的デ-タが有効なのかとて
も疑問なところです。私はやはり800年以上続く日本建築の知恵を活かしたいと考え、無垢を使っ
ています。
しかし、一番のポイントは無垢を扱うには相当の経験がないと出来無いことです。
それは数年で覚えられれるものでなく、単に設計書に無垢材と書けばよいものではご
ざいません。
大切なのは、木造についてきちんとした知識のある設計者、施工者に相談することがとても大事です。
そのことがけして高単価になることでは無いと思います。